紙の流れ目

印刷や製本をする場合、紙の流れ目の方向を良く考えて使わないと、本の頁が開きにくかったり、綴目が波打ったりする。また、オフセット印刷の場合は、紙が伸びて印刷面に狂いが出たりする。この流れ目は、紙の原料である樹木の繊維が抄造工程のなかで、高速で流れて行く際にその流れの方向に配向し、搾水・幹操される間にさらにその配向性が高まることによりできるものである。

品種によっては、全判タテ目・ヨコ目共につくられているものもあるので、これを上手に利用することが肝心である。
書籍の綴目の方向と紙の流れ目の方向を平行にさせるためには、奇数判<B5・A5>等の仕上りの書籍の場合には全判はタテ目で、偶数判<B4・A4>等の場合にはヨコ目を利用する。ただ、タテ・ヨコを適当に配合した方が、仕上げがよくなるといわれることもある。とにかくこの紙の流れ目、印刷・製本工程においては、厄介なものだ。