お客様からよく表・裏のない紙はないものだろうかというお話をお聞きすることがある。
一般の紙には、たいてい表と裏があり、両面は多少その状態を異にしている。もちろんそのうち滑らかな面が表とされているが、肉眼では見ることのできないミクロの表裏差も重要である。
第一には填料の不均等な分布であり、そのため裏面の填料及び微細繊維の配分率が表面より非常に少なくなる。また表面ではタテ・ヨコの特質が明らかであるが、裏面ではその差は不明確となる。要するに表面は見た目にもミクロでも滑らかで繊維の並びもはっきりしているが、裏面はそれが劣っているということである。実際紙の表裏差は我々に様々な問題をふりかけてくれる。
しかし最近では、ツインワイヤ方式という抄紙機が使用されはじめ、次第に表裏差の問題も解消されようとしている。これは今までの長網式マシンでは紙が1枚のワイヤ面にそって流れていたものが、ツインワイヤ式では2枚のワイヤの間で紙が作られるようになったからである。また在来マシンにおいてもワイヤ・フェルトや各システムの改善進歩が進められている。
一般的な表裏差の識別法は①ワイヤマークのある方がウラ面②流れ目がはっきり見える方がオモテ面③梱包を開いて見える面がウラ画(一部の紙を除く)であるが、はたしてみなさんはどのような識別法をお持ちでしょうか?いい方法がありましたらお教え下さい。