普通のノーカーボン紙には、伝票のいちばん上に使用するA紙、いちばん下に使用するC紙、そして3枚以上の複写になる場合にA紙とC紙のあいだに使用するB紙があります。
ノーカーボン紙は、このA紙・B紙の裏面に塗布されている発色剤とB紙・C紙の表面に塗布されている顕色剤との化学反応で発色が得られますが、3種類の紙を組み合わせることなく、1枚だけでも発色するかわったノーカーボン紙があるのをご存じでしょうか。
感圧紙でおなじみの富士フィルムからは、〈プレスブルー〉〈プレスブラック〉のブランドで発売されています。圧力が加わるとマイクロカプセルに包まれた無色の染料(発色剤)がカプセルから飛び出し、顕色剤と化学反応を起こし発色するという仕組みは普通のノーカーボン紙と同じですが、〈プレスブルー〉〈プレスブラック〉(ブルー・ブラックは発色の色)の表面にはこの“発色剤と顕色剤の両方が一緒に塗布されている”ため1枚だけでも発色するのです。このため、A・B・C紙を組み合わせなくても、どのような紙を上にのせても複写が可能になります。用途に合わせて、あるいはアイデア次第でたいへん便利なノーカーボン紙<プレスブルー><プレスブラック>をどうぞお見知りおきください。