木材の中には、軸と同じ方向にセルロースを主成分とした繊維が並んでいます。この繊維はリグニン等で固められています。木材から紙を作るためには、まずこの結合を何らかの方法で壊し、バラバラの繊維を取り出す必要があります。
次に木材パルプに使われる木の種類について調べると、初めて木材パルプが使われた頃は、針葉樹のモミ、ツガ等でした。その後、軟質で色が白く繊維が比較的細長く取り出しやすいエゾマツ、トドマツ等が使われました。
しかし、これらの木が不足してきたので、日本中のいたる所に生えているアカマツやクロマツを利用する研究が進められ使用されました。ブナ、カバ、ハンノキ等の広葉樹のパルプも古くから使われていましたが、使用しにくく、エゾマツ、トドマツが主流でした。戦後樺太を失ったため代わりにアカマツやトドマツが主役となり、広葉樹の利用も本格的に検討され始めました。