パルプ
パルプは、古来のぼろパルプに始まり、近年の木材パルプにいたるまで、長い間、紙の原料として発達してきたものであったが、たんに紙の原料にとどまらず、ビスコース、硝酸繊維素などの原料として、また人造繊維、セルロイドなどの可塑物や火薬などの製造に利用されている。現在、製紙工業で使用されているパルプは、木材繊維からのパルプが主流をなしている。しかし、近年ユニークな性質を要求される紙にとって、植物繊維のほかに無機質の天然繊維状物質である石綿とか、グラスファイバーが利用されている。そのほか有機質としては、古来羊毛が用いられていたが、近年は合成繊維の発達とともに、レ-ヨンポリアミド系(ナイロン)、ポリエステル系(テトロン)、およびポリアクリル系(カシミロン、ボンネル)なども紙にすくことがある。
補助パルプ
故紙パルプ、いったん印刷した損紙、断落し、または使用ずみの反故紙で、繊維が切断されてたり化学的に変質していたりして強度、透明度、緊度などの点で劣るが、安価であるため、紙、板紙全般に使用されており、今日比較的安価な紙に属する板紙の製造に際しては、故紙なしは考えられないまでにいたっている。