近年資源保護やゴミ処理の問題が大きくクローズアップされていますが、製品や商品の包装や緩衝材に従来から使用されていた、発泡スチロールなどの化成品に替わるものとして、「パルプモウルド」という紙製品があるのをご存知でしょうか。
あまりなじみの無い名前ですが、“紙でできた卵のパッケージ”といえばお分かりになるでしょう。最近では青果物のトレーをはじめ、工業製品の分野での需要が年々増加しています。
我が国のパルプモウルドの生産量は年間約5万トン、このうち3万トンが鶏卵・青果物などの農産品向けです。工業製品は、その生産拠点が近年海外に移されているため、現地調達が中心となっています。パルプモウルドは、脱墨新聞古紙パルプが主原料のため、リサイクルや焼却が可能で、成型・着色などのほか、厚さや強度も使用目的や製品に合わせて自由にできます。
また4月から実施される新しい容器包装リサイクル法や、ISOへの対応のための新たな需要も期待され、注目を集めています。