パーチメント(羊皮紙)

パーチメントは、古くから書写材料に使われました。BC1500年頃のものが、エジプトで出土しています。また1947年、死海北西のクムラン地区で発見された「死海文書」も、パーチメントに書かれています。これはBC1~2世紀のものです。羊の皮から作ったものをパーチメント(羊皮紙)、仔牛の皮から作ったものをベラム(仔牛皮紙)と呼んで区別します。

パーチメントは羊や仔牛のなまの皮です。なま皮を石灰水に浸け、毛をむしり取り、木の枠で拡げ、乾燥させ、半月形の小刀で表面を薄く削ぎ取り、軽石の粉などで磨き、引き伸ばしながら乾燥させて作られたものです。

パーチメントは丈夫で書きやすく、文字の訂正をする時は削ればよいので、中世までのヨーロッパでは最良の書写材料でした。しかし作るのに手間がかかり、高価なので製紙法が伝わった後は、大切な書類、条約書、卒業証書などのみに用いられました。