透かしは一見してその金券の専用であることがわかる。千円札には夏目漱石、1万円札には福沢諭吉の肖像画がある。これらは黒透かしと呼ばれ、地の部分より濃く見える。
紙幣の場合はさらに諧調もついており、日本では紙幣用などに限定され、国以外は製造が禁止されていて、一般の金券には使用されない。
一般の金券には白透かしが使われている。これは地の部分より薄く見えるものであり、諧調をつけることもほとんどない。すなわちレターヘッドに見られるように、文字やマークの透かしを入れて専用紙とする。最近の百貨店商品券やビール券などには文字が漉きこまれている。これらはダンディーロールや円網多層抄き抄紙機で製造される。文字やマークの鮮明さ=地の部分との境界線がくっきりと出ていることが求められる。