再生紙が必ずしも安くないのは?

紙を作るための主原料はパルプで、大きく分けると、

  1. 化学パルプ
  2. 機械パルプ
  3. 古紙パルプ

の3種類です。化学パルプは、購入してきたチップを苛性ソーダや硫化ソーダ等の薬品を使って蒸解します。そして紙に不必要なリグニンを溶かし出し、紙に必要なセルローズだけを取り出します。機械パルプは木材やチップを磨砕する(機械ですりつぶす)ものです。古紙パルプは、古紙を大きな洗濯機のようなものに入れ水に溶かし、金属、石、ガムテープ、ポリエチレンの紐等の異物を取り去り、脱墨を行い、白さを必要とする時は漂白します。

新聞古紙を使って古紙パルプを作るための設備費は、日産500トンのプラントを作ろうとすると約100億円かかります。古紙パルプの設備の増加は、1や2の代替になりますから、古紙パルプへの投資はそのまま紙のコストに跳ね返ります。従って再生紙の販売量が伸びることがコストダウンの要因となります。