近年、古紙がたいへん注目を集めているのをご存知でしょうか。日本の古紙回収率は、世界一といわれています。古紙は印刷などにより汚れてはいるものの、重要な資源となっているのです。古紙を使って作られた紙は、安物で品質が落ちる下級紙というイメージを持たれがちですが、決してそうではありません。現在では抄紙技術も進歩して、大半の紙には古紙が使われています。
古紙は用途によって、化学的・機械的に処理をし、一本一本繊維をほぐし、ゴミ・インキを取り、漂白した上で原料として使われます。この再生を繰り返すと、繊維の強度は落ちてきますが、新しいパルブで補強したり、薬品で紙力を向上することができるので、古紙を使ったからといって、その質は大きくかわりません。このような技術では、日本は世界でもトップレベルだといわれています。
古紙を使った紙には①新聞用紙②印刷・筆記用紙③家庭紙④段ボール原紙⑤紙器用板紙⑥建材原紙・石膏ボードなどがあげられますが、その用途は無限で、今やひく手あまた。
紙は我々の生活とは切っても切れないものですが、それだけに重要なものであるという事を忘れてはなりません。そして決して無限なものではないという事も忘れることはできません。古紙は私達の暮しの中に、自然にしかも静かに生きているのです。