結論から申しますと、何十回は無理としても、数回ぐらいは十分に使えます。しかし、古紙からできる再生パルプは、不利な条件を多く抱えています。
再生紙は、通常の紙の抄造工程の他に、脱墨するために薬品を使ったり、リサイクルする前の紙として使用されていた時に、熱・湿度・光・加工時の印刷インキや接着剤など、紙の繊維に対して外的負荷がかかっています。
紙は、一本一本の繊維が叩いたり溶かした時に柔軟性をもち、枝分かれしたもの同士が絡み合い、その枝分かれした繊維が長ければよく結合するので強度が高くなります。しかし、何度も繰り返すと、繊維自体が傷み、短くなって枝分かれしたものも少なくなります。また、加熱・乾燥により繊維が柔軟性を失い、数回ほどでかなり強度が落ちます。
今後も古紙をより多く使用しなければなりません。そのためには、長繊維だけを取り出して再生したり、古紙を処理するときに使用する薬品の工夫などをして繊維などを傷めないよう、やさしく行う新技術の開発が必要です。