広辞苑の紙は世界一

日本の製紙技術は世界のトップレベルという。2年前の11月に改訂された岩波書店の、「広辞苑第4版」の用紙は本州製紙が手掛けたが、「印刷適性などの面で質を落とさず、従来のものよりも薄くて軽い紙を」というのが岩波書店側の注文でした。結果は、第3版に比べ、ページ数は192ページ増えたのに、重さの方は165グラム減っています。

本の厚さは8センチを超えると、大量製本が難しくなる。改定で収録項目が増えれば、当然、ページ数も増える。紙を薄くすれば、もろくなるし、裏側の文字が透けてしまうこともある。

「薄くて強い紙」この両方を克服した紙は、厚さ51ミクロン、1平方メートル当り49.0グラム。従来のものと比べ、厚さで4ミクロン、重さで6.4グラムの軽減となった。

事典や辞書に使われている紙としては、おそらく世界一の紙といえるでしょう。