画仙紙(がせんし)

本来は、中国から渡来した書画用の紙の事をこう呼びます。他に、雅仙紙・雅亘紙などと書きますが、中国の名紙として有名な宣紙(せんし)にちなむ名称といわれます。
宣紙は唐代(618~907)のはじめから漉かれ、青檀(せいたん)の皮の繊維を原料としたといわれます。江戸時代に中国から輸入された紙の多くは唐紙で、画仙紙は少なかったそうです。当時は、紙が厚く、純白でした。
竹を原料とした唐紙(毛辺紙/とうし)と青檀を原料とした画仙紙とが、対照的に考えられていたかは不明です。
江戸時代以後、わが国で中国の書画用紙を模倣する試みはいくつかなされますが、必ずしも数は多くなく、あまり成功しなかったそうです。
寸法の基本は中国紙によるもので、最も一般的なのは小画仙(条幅)と呼ばれる2尺3寸×4尺5寸(69.7×136.4cm)で、これを縦半分にきった小条幅(半切判)1尺1寸5分×4尺5寸(34.8×136.4cm)です。