白色度と不透明度

紙を選ぶときのポイントとして「白色度」と「不透明度」が挙げられます。紙の光学特性(白色度・不透明度)を支配する要因は、紙層内における光の「錯乱」と「吸収」です。

紙を光に当てると、次の4つに分解されます。

  1. 紙の表面で反射される光。
  2. 紙の内部で乱反射しながら最終的に跳ね返る光。
  3. 紙に吸収される光。
  4. 紙を透過して裏面に抜ける光。

白色度向上には1、2の「散乱」する光を多くし、3の紙層内で「吸収」される光を減らすことが不可欠です。また不透明度向上には4を減らす。すなわち1、2、3を増やすということになります。つまり白色度と不透明度を同時に向上させることは、3が相反するため、難しいとされてきました。そこで最近注目されているのが、「填料」です。填料の製造工程で形状をコントロールすることにより、紙に加える填料そのものが、白色度が高くて紙層中で光を効果的に乱反射させるものに変わります。

これにより1は必然的に増えますし、更に4の光を2に変えることにより、白色度・不透明度の向上という二つの相反する要求の両立が可能となります。