紙ではないような紙

選挙の時にいつも活躍する紙があります。ポリプロピレン樹脂を主原料とする合成紙、ユポです。雨に濡れても強い風にさらされても、破れにくく、はがれ落ちないことから選挙ポスターに使われます。

また、現在では当たり前になった即日開票も、投票用紙に反発力のあるユポを使用することで可能になったのです。用紙が投票箱の中で開くので、開票作業や集計にかかる時間を一気に短縮化してくれます。

ユポも開発当初は、多色刷りが大変といわれましたが、印刷インキの吸収性も格段に向上し、今ではショッピングバッグや地図など幅広い分野で使われるようになりました。

しかしここ数年、ユポがもっとも使用されているのは情報用紙の分野です。ビデオプリンターやデジカメ、プリクラなどの画像やバーコードラベル用の感熱記録紙として、デジタル時代の最先端で強度や白色度、耐水性や発塵性の低さといった特長が活きています。さらには、ヨーグルトやシャンプーなどのパッケージに成形一体型のラベルとして使用されています。

最近では、ユポのリサイクル利用の研究も進んでおり、美しくしなやかで強いという、紙とプラスチックの両面の特性を備えたユポは、さまざまな場面で「紙」として存在を確立しています。