紙とは何か

紙とは植物繊維を水中に懸濁させたのち、水をこして薄く平らに絡み合わせたもので、筆記、印刷、梱包紙などに用いられるものをいいます。この中で植物繊維(セルロース繊維)を水中に懸濁させ水をこして行うのが重要なところなのです。つまり水にセルロース繊維を分散させてこすことが製紙の本質なのです。

紙の本来の定義は前述の通りですが、それが永久に不変であるというわけではありません。それに、現代は科学技術文明の時代です。

紙に類似した新製品はたくさん出現しています。例えば合成高分子物質を原料とした合成紙があります。これには多くの優れた性質がありますので、これまで紙の用途、またはそれ以外の分野において、紙以上に便利に用いられることもあります。このような場合、それは紙の定義に従わないから紙ではないという必要はまったくありません。

紙の定義を拡大するなり、また新たに定義し直せばよいでしょう。現に、昭和44年にJIS規格に紙の定義として加えられたものは、植物繊維その他の繊維を絡み合わせ、こう着させて作ったもの。なお広義には素材として合成高分子物質を使用して作った合成紙も含むとなっているとのことです。