紙の寸法と形について

ときおり、お客様より紙の寸法や形が、どうして決まっているのかと質問されることがある。そういえば、たしかにその通り……四六判、B判、菊判、A判等いろいろと寸法があり、紙の形も正方形ではなく長方形である。

このような疑問を解くには、ギリシャ時代までさかのぼらなければならない。ギリシャ時代では最も美的な調和感覚の形が長方形であり、また最も調和のとれた長さの比が“黄金比”といわれ、タテ:ヨコ=1:1.618・・・・・・であった。これが。現在の紙の形及び寸法に大きく影響している。

印刷用紙(平判)の基本寸法
名称 寸法m/m
四六判 788X1091
B 本判 765X1085
A 本判 625X880
菊判 636X939
ハトロン判 900X1200

全紙を半截し、また半截し、という具合に切っていった場合、それぞれタテヨコ比がすべて同一になることが望まし。このようにするためには、タテ:ヨコ=1:√2=1: 1.414…であることが必要である。A判・B判のその規格寸法はタテヨコ比=1:√2の考え方でできており、これに断截時の耳を考慮した寸法が、A本判・B本判である。日本に以前よりある菊判・四六判もこれに近似しており、すべてこの考え方からできていることがよくわかる。