紙はもともと非木材紙

紙の起源は、中国の漢時代にまで遡る。当時の手漉き紙の原料は、麻や布くずである。後漢以後は、コウゾや同類のカジノキ、竹、わら等を利用してきた。17世紀に中国から製紙技術が伝わり、和紙の製造が始まった頃の紙も麻、コウゾが主要原料であった。紙の生産は、非木材紙から始まったといってよい。

紙は木材パルプを原料としていることはよく知られている。しかし、紙の二千年の歴史からみると、木材紙の歴史は、百数十年にすぎない。そもそも「木材紙」という言葉自体が、近年の「非木材紙」に対比される言葉として、よく耳にするようになったのである。

紙を原料の違いで大きく分類すると、木材紙と非木材紙の二つに分けることができる。1990年頃までは、木材紙といえば洋紙、非木材紙は主に和紙と考えられてきた。