日本列島は、5月より沖縄から順に梅雨入りします。しかし、すべての地域が梅雨を迎えるというわけではありません。基本的に、梅雨前線がかからない北海道と小笠原諸島は、梅雨のない地域とされています。6月前後に国内旅行を楽しむには、この両地域が最適といわれるのはそのためです。
ただし、年によって、北海道はごくまれに蝦夷梅雨(えぞつゆ)という気象現象が起こります。オホーツク海高気圧の勢力が南下し、曇天の肌寒い天気がつづいてしまうことがあるのです。期間は、ちょうど本州の梅雨が明ける頃の2週間程度。梅雨前線の影響ではないため、気象庁ではこれを梅雨とは認めていませんが、からっとした晴天の下でリラやラベンダーの花咲く丘を鑑賞するつもりの観光客にとっては、気分的には梅雨以上に梅雨っぽい印象を受けてしまうかもしれません。また、気温が低下するので、農作物の成長に影響を及ぼすこともあります。