近年、印刷物の規格寸法がA列主流になりつつあるとよくいわれます。我々の身の回りに目をやっても、B4・B5主流だった頁物などの中にA4・A5のものがたしかに増えつつあるようです。
ただしA4・A5の印刷物(特に頁物)は表紙をつける場合、A列用のファンシーペーパーがまだまだ少ないため、用紙選択に苦労することが多いようです。
ケントや色上・上質、コートなどの汎用紙ではA判や菊判がほとんど抄造されており、より目の選択もだいたい可能ですが、ファンシーペーパー等の特殊紙にはA判や菊判が少ないため、選択の際には注意が必要です。ただし最近は菊判の特殊紙も増えてきているので、目の選択に若干の注意は必要なものの、以前より利用しやすくなってきました。
菊判ファンシーで代表的なものは、特種製紙の「レザック66」の6色3听量ですが、このほかにも、新富士製紙の「あららぎ」の6色2听量、「TOYOファイバー」全色等、さらに「パミス」白、「サーブル」のスノーホワイト・クリーム、「こもん」白・うすクリーム・古染、「テンカラー」、「テンカラーエンボス」等があります。
四六判しか抄造していない紙でも取り都合によっては利用も可能で、A5用には11切のT・Y混合、10切の全紙と逆目、9切で全紙と同目等があり、A4用でも5切取りT・Y目混合でA3取りができます。どうしてもこの紙でA4の表紙をというような相談や依頼を受けられたら、予算をご確認のうえこの豆辞典の事を思い出されて、ぜひご相談ください。お役に立てるかもしれません。