製本の歴史

日頃、皆さんの生活のなかには本や雑誌といった製本加工されたものが数多くあります。そんな身近な製本の歴史を簡単にご紹介したいと思います。
日本での製本の起源は、中国から伝えられた「巻子本」といわれているようです。しかし、この書物は、途中を見るときや一部を見るときも、すべてを広げなくてはならないのでとても不便でしたので、折りたたむようにした「折り本」となりました。
日本の製本としては、元永3年(1120)に編纂された『古今和歌集』が最古といわれています。時代を経て、西洋式の製本技術が1873年に伝わってきました。
明治時代は、製本の機械がほとんどない時代で、職人が道具を使って手作業で1冊ずつ仕上げるというものでした。昭和に入って製本機械の国産化が進み、大量生産できるようになりました。

中近東

古代エジプトではパピルス紙の端に軸をつけ、メソポタミアでは粘土板を入れる外箱(粘土製)をもって製本としました。

中国

 蛇腹に折った紙の上下に薄紙をあてた「折り本」が始まりといわれています。

西洋

近代製本技術はここ、西洋で起こりました。グーテンベルグの発明した活版印刷技術が発端で、『聖書』こそ、近代製本技術が生んだ最初の作品でした。19世紀になると、専門クロスがイギリスで発明されました。