紀元前1500年頃、羊・仔羊・仔山羊・仔牛の皮で作るパーチメント(羊皮紙)と呼ばれる半透明の書写材料が出現しました。
仔羊などの皮に水をつけ、石灰乳に浸して不要な毛や肉を取り除いた後、木枠に張り乾燥、水洗いをします。次いで突き出た部分を半月形の小刀で削り、軽石で磨いて表面を滑らかにします。最後に白色の鉱物の粉をすりこんで不透明化しました。
パーチメントは折り曲げに強く、冊子本を作ることができ、耐久性にも優れていました。そのため教会を中心に使用され続け、1455年にグーテンベルグが最初に印刷した「42行聖書」の210部のうち30部がパーチメントに印刷されましたが、このためには数百頭分以上の皮が必要であったと考えられ、紙の伝来とともに次第に衰退しています。