グロス調とマット調

塗工紙の中でも、特に光沢を高めたものを「グロス調」とか「グロス系」という。紙に強光沢、平滑性を持たせるために処理を行い厚味や嵩があり、高級感のあるカラー印刷などに適している。また、白紙面はつや消しだが、カラー印刷の部分だけ光沢をもたせた塗工紙を「ダル調」という。

一方、低光沢でしっとりとした視感・触感のある塗工紙を「マット調」、「マット系」という。英語の「mat」(光沢の鈍い、つや消しという意味)からきている。書籍本文用紙などには光沢のある紙より非塗工の本文用紙が使われるが、文字と並んでカラー写真や画像などを含む高級書籍では、色彩効果を高めるためにインキ着肉の良好な塗工面が望まれる。マット調の塗工紙は、このようなニーズに最適で、カラー印刷の再現性に優れながら、印刷適性もある。カラー百科辞典、高級書籍、企業案内など用途が幅広い。