ティッシュはアメリカの日用品メーカーであるキンバリークラーク社が、第1次世界大戦時に「綿の代用品を紙から作れないか」と軍から要請を受け、開発したもので、防毒マスクのフィルターに使われたという。1924年、同社が紙製の箱に入れ「クリネックス」の商品名で発売した。
日本では1964年に日米合弁の山陽スコットが「スコッティ」を、十條キンバリーが「クリネックス」を相次いで発売した。発売当初の価格は1箱100円と高級品だったが、スーパーの出店ラッシュに乗った拡販や5箱のセット販売で普及が加速した。
現在は、品質での差別化が本格化して価格競争が起こっている。2001年度の市場規模は1088億円。皮膚が赤くならないよう表面にローションを塗ったタイプなど消費者の細かいニーズに応える商品開発に、各社はしのぎを削っている。
これからも、鼻をかんだり、口を拭いたり、あるいはテーブルを拭いたりと、生活のあらゆる場面で役立つ必需品として活躍するだろう。