かつて特殊紙として扱われてきた産業用紙が、一般消費者向けに応用される例は、このところ枚挙にいとまがない。ハイテクによる新しい素材は、人々の生活を次々に変えている。「素材革命」は、思わぬところで静かに進行し、留まるところを知らない。
「遮光紙」
一般の紙は、光を通すが、遮光紙は文字通り光を通さない紙である。写真フィルム、間接X線フィルムのリーダーペーパーなどとして使われる。針の先ほどの穴があっても、光が洩れて写真乳剤に支障をきたすため、慎重に製造される。遮光パッケージ、裏面印刷物の透過防止用、トランプ用紙などにも使われる。紙だけでできた、アルミ箔に匹敵する完全遮光性のある遮光防湿紙も開発された。遮光紙は黒というイメージを変え、茶系・グレー系の色を使っている。