古代エジプトの書写材料は、ナイル湖畔に自生する多年草・パピルスの茎を縦に薄く裂き、一定の長さに揃えて隙間なく並べ、その上に同様なものを直角において乾燥させたシート状のものであった。
紙が最初に使われたのは古代中国で、樹皮、麻繊維、ボロきれ、魚網などを用いて紙作りをしていたと伝えられている(後漢書蔡倫伝)。
我が国へは飛鳥時代になって朝鮮から製紙法が伝わった(日本書紀)。江戸時代になると全国各地で楮、三椏、雁皮などの靱皮繊維を使う手漉き和紙が盛んに作られるようになった。強靱さと優美さの点で優れた手漉き和紙が日本の紙文化を作り上げた。