エレクトロニクス産業の成長は、紙や印刷業界にも様々な影響を与えるようになっています。例えば、超LS Iが生みだされるクリ-ンルーム、ここではチリやホコリには細心の注意が払われなければなりません。ミクロの世界では、たとえ1ミクロンの塵でも作業に重大な影響を与えます。そのような室内で使用される名種用紙には、一般の上質紙などではなく極めて発塵の少ないクリ-ンなものが要求されています。
そこで今、たいへん注目されているのが、合成紙、無塵紙です。合成紙は天然パルプを主原料とする従来の紙と違い、石油化学の生んだ紙と言われるだけに、そのクリーン度にも十分うなずけます。一定の条件下における測定でも従来の天然パルプの紙に比べて発塵量は5%以下で、IC・LSIとはたいへん相性の良い紙と言えます。この合成紙を無塵紙界の東の横綱とすれば、西の横綱には、クリーンペーパーがあげられます。四国製紙の開発したもので、キャッチフレーズは「クリーンルーム専用紙」です。このクリーンペーパーは、天然パルプを主原料としながら、無塵度は合成紙以上というもので、外観も一般紙ならば、各種適性も一般紙あるいはそれ以上というもので、価格も安いという点も注目されています。これらの無塵紙は、医薬工業・精密機器工業などでも今注目度No1です。