古紙1トンは、紙の原料となる立木(直径14cm、高さ8m)で20本分に相当します。古紙1トンから約850㎏のパルプができると言われています。我国の製紙原料に占める古紙の割合(古紙利用率)は49%=1,120万トンで、オランダ65%、イギリス55%についで世界第3位の利用率となっています。そして、その量はアメリカの2,169万トンに次いで世界第2位です。
古紙の再生は、木材から紙をつくるのと比較して、60~80%の省エネになると言われています。しかし、古紙を製紙の原料にするにはインキの除去などのコストのかかる工程が必要なため、再生紙の価格はそのイメージとは違い、必ずしも安くならないのが現状です。
用途としては、ダンボール・新聞雑誌用紙・電話帳用紙のほか、最近では一般印刷用紙・コーテッド紙・OA関連用紙まで幅広く利用されており、諸外国と比較して我国は再生紙先進国と言えます。
再生紙とひとくちに言っても、古紙混入率についてのJISや業界としての明確な基準はなく、中質紙や更など(古紙混入率30~40%程度)を再生紙と呼ぶことが多いようです。
これに対して通産省などは、古紙の混入率の基準を60%以上と考えているようで、各メーカーの考えにもバラツキがあり、一定の基準や規格の取り決めがそろそろ必要な時期に来ていると言えるでしょう。