一年間に使用される名刺の数は35億枚にものぼります。毎日仕事をするうえで欠かすことができません。自分を売り込み、相手の身分をすぐに知れる1枚の小さなカード、これが名刺です。
私達の商売は名刺を交換することから始まりますが、そこにも企業や個人のセンスや個性が表れています。今回はこうした名刺の歴史についてご紹介いたします。
名刺が世界で最初に使われたのは中国といわれておりますか、その起源については確かな資料がなく、詳しいことは分かっておりません。ヨーロッパでは17世紀半ばごろ、イタリアに留学していたドイツの学生達が使い始め、18世紀に入ってヨーロッパ全域に広まったようです。
わが国で最初に名刺が使われたのは、1858年の日米修好通商条約の席で、日本側の奉行がアメリカの外交官に渡したことに端を発しています。
名刺は最初、訪問した相手が不在の時に自分の名と簡単な用件を記したメモを残したことからビジッティングカードと呼ばれました。一般に仕事や社交で使われ、誰でも名刺を持つようになったのは、こく最近のことです。いまや名刺は仕事にとっては大きな武器。特に販売戦略の重要な武器と考えている企業では、さまざまなアイデアを駆使して、より一層の効果を狙っているようです。