ハイテクノロジーから生まれた陶磁器絵付転写用紙

陶磁器を作る時、陶磁器の絵付は、

  1. 手で描く
  2. 顔料をスプレーで吹き付ける
  3. 転写用紙を使用する

このような方法によって行われています

陶磁器の絵柄、色合いは4~5色の単純な物から、20~24色の複雑な物までバラエティに富んだものになっています。転写紙が使用され、絵付が容易になった事から、これらの多彩な陶磁器の大量生産が可能になりました。

PS、喜ぶべきか悲しむべきか。

製陶会社での絵付作業に用いる転写紙を製作するには、まず絵柄を転写用紙から剥ぎ取って陶磁器に移しやすくするために、紙の表面に水溶性の滑り剤(デンプン、デキストリン)を塗布する。これを所定の平滑、指定寸法として前段処理する事が出来ます。

絵柄の印刷は、オフセット、シルクで行い、最近ではインキの乗りが多いシルクが主流になっています。この刷られた絵柄の上に、プチラール樹脂の薄いフィルムをコートして加工処理を完成するのです。

絵付作業は、転写紙に水を浸し、転写用紙に塗布した滑り剤を溶かして絵柄を剥がしやすくします。紙を剥がし、絵の付いたフィルムを陶磁器にひとつひとつ張り付けて、その後、窯で加熱し製品に仕上げるわけです。

転写用紙は、20~24版の印刷と乾燥の繰り返しの作業に適するように、寸法安定性が高く、腰が強く、カールや紙くせのない事と、吸水性が速いことなどが特性として必嬰です。

転写用紙は、複雑な絵柄が多彩な色合いを造り出すための橋渡し役として、あまり目にふれる事もありませんが、重要な役割を持った紙といえるでしょう。

ただひとつ気になる点は、一本の筆からさまざまな絵柄や模様が作り出される光景が、なくなるのではないか、なくなることのないよう見守るだけです。