空を飛んだ紙

世界で初めて空を飛んだ人物、それがモンゴルフィェ兄弟です。1783年11月21日、紙製の熱気球で兄弟は空に浮かびました。

熱気球は暖められた空気が軽くなり、上昇するのを利用するものですから、薄く軽く空気を通さない紙は、当時としては理想的な材料でした。

彼らが気球の材料に紙を選んだことは幸運な偶然があります。モンゴルフィェ兄弟は、フフンスに製紙技術を持ち込んだ製紙一家に生まれたのです。

1150年、十字軍の遠征でオスマントルコ軍に捕らえられたモンゴルフィエ家の先祖が紙すき術を学び、帰仏後製紙業を興しました。

現在もキャンソン・エ・モンゴルフィエ社は、フランスの代表的な製紙会社として高級美術用紙などに、世界的な名声を博しています。同社のマークは熱気球をもとにデザインしたものです。

王子製紙紙の話より