紙の原料である木材繊維には、水分や液体を吸い込む性質があります。印刷や筆記用につくられる紙にも、本来はこういった性質があるのですが、この場合にはインキのにじみが邪魔になるため、薬品を使い、にじみ止めの加工をしています。この加工なしに、薄さやソフトさを考えてつくられているのが「ティッシュペーパー」や「トイレットペーパー」です。
さて、水や液体を吸い込むと紙はとたんに強度を失ない、ほぐれやすくなります。トイレットペーパーは、このため水洗トイレでうまく水に流れていくのですが、ティッシベーパーのパッケージには、水洗トイレに流さないよう注意書きがあるのをご存じでしょうか。
これは、ティッシュベーパーは鼻をかむのに使うため、水に濡れて破れたりしては困るので、耐湿樹脂によって水につけてもほぐれない加工がしてあり、水洗トイレをつまらせる怖れがあるからなのです。
身近な紙として重宝しているティッシュペーパーそしてトイレットペーパーですが、今日のような紙の無駄づかいは日本だけともいわれています。大切な資源を守るために、1人ひとりのチョッとした心使いが必要なようです。