ファクシミリなどの普及で、感熱紙が今ではずいぶん身近になりました。ご存知のように、この感熱紙は、インクを付着させるのではなく、熱によって紙が発色して文字が描かれるものです。
では、そのメカニズムはどのようなものなのでしょうか。
感熱紙には、表面にいろいろな薬剤が塗られています。発色に関係のあるものとしては、無色染料と顕色剤があげられますが、OA機器のサーマルヘッドなどで熱を加えると、このふたつの薬剤が溶けて交じり合います。すると顕色剤が無色染料の発色を促し、印字がなされるというわけです。
これらの薬剤は、光や大気中のガスの影響を受けて、黄色く変色しやすい性質があります。このため保存性に疑問が持たれていましたが、最近では銀行のキャッシュディスペンサー用の領収証のように、オーバーコートという膜を施した製品などがあり、この問題は改善されているようです。