1998年の我が国の古紙輸入量は約30万トンでした。これに対し輸出量は約4万トンで、古紙の輸出入バランスは圧倒的に輸入超過となっています。近年、一般廃棄物・産業廃棄物などの処理問題が各地で問題になっているにもかかわらず、「なぜ古紙を輸入しなければならないの?」と思われる方が大勢いらっしゃるでしょう。
我が国の古紙の回収・利用率は数年前より50%を超えており、使用量でも1,600万トン前後で推移し、世界各国に比べても高い水準にあります。ただ、古紙は計画的に生産できるものではなく、天候や季節により発生が変動し、需要の変動にすぐ対応できないという性質があります。
このため、輸入古紙には国内古紙の単なる代替ではなく、その補完的役割を担い、需給ギャップを調整するという大切な役割があるのです。また木材パルプの代替として、日本の古紙が持っていない強度や白さなどの特性を活かした用途にも利用されます。
このように、古紙の輸入にも実は深いわけがあるのです。