どんな用途の紙でも再生紙で大丈夫?

地球環境の保護や資源の有効利用を目的として、今や様々な用途に再生紙が利用されています。このまま世の中を挙げての再生紙利用が進むと、紙という紙はすべて再生紙になってしまいそうですが、はたしてそうなのでしょうか。1998年の日本国民1人当りの年間紙・板紙消費量は世界第6位で237㎏にも達しました。再生原料を使用した製品も、新聞紙・印刷用紙・トイレットペーパー・包装用紙・段ボール箱・ノート・コピー用紙など、数えればきりがありません。

しかし、医療器具の包装に使われる滅菌紙や、直接口に触れる煙草の巻紙など、再生紙化が難しいものも未だにたくさんあります。もっともそのほとんどは、特殊な用途の、限られたものです。

このような製品以外は、DIPなどの古紙処理能力や古紙利用技術の向上などにより、古紙含有率も年々高まる傾向にあります。そして、オールナチュラルパルプの製品と遜色ない古紙含有率100%製品も、数多く開発されています。

今後は更に古紙回収率を高め、様々な用途に利用が可能な“高品質”の再生紙を開発し、市場に広めていくことが必要といえるでしょう。