つやがあるのは同じだが、なぜ色が違うのだろうか? 紙の表面に塗ってある塗料が違っているのだろうか?今回は、コート紙・アート紙の違いについて勉強してみよう。
一般に、印刷用紙は非塗工紙と塗工紙に大別される。この2つの違いは、紙表面にコーティングを行なっているか否かである。パルプ繊維が露出してつくられている非塗工紙の表面の凹凸を、細かな粒子の塗料で覆い、なめらかにすることであり、その塗工量は上質紙(10g/m2)、軽量コート紙(5g/m2)、コート紙(10g/m2)、アート紙(20g/m2)の順に多くなっている。さて、ならばなぜ同じ斤量(例73kg)のコート紙・アート紙があるのだろう。
これは基質となる上質の斤量を、この塗工量の差の量だけ薄くして、総斤量を73kgとしているからである。コート紙は上質8の上に2のコーティングをし、アート紙はその割合が7対3になる。一般にアート紙よりコート紙の方がコシがあるといわれるのはこのためである。