上質紙

上質紙の原料バルブはBKP(Bはbleachedすなわち漂白したとの意味、KPはクラフトバルブの意味)で、これには広葉樹を原料とするLBKP(Lは広葉樹材の意味)と針葉樹を原料とするNBKP(Nは針葉樹材の意味)とがある。中~厚物はすべてLBKPであるが、薄物にはつなぎのためNBKPを若干配合する。

上質紙は非塗工紙のなかで原料的には最高の品種である。原料はメーカーとも同レベルのBKPを使用し、填料を10~15%配合してペン書き適性も付与し、かつ表面強度を高めて、いかなる条件でのオフセット印刷にも耐えるように設計してある。従って、上質紙の一般品の白色度は78~80のレベルに揃っている。

ただし、一般品とは別に本文用紙とよばれているグループがあり、填料を20%くらいに増量して紙を柔軟にすると同時に不透明性を高めてある。その多くはクリーム色に染色して光の反射を弱め、書籍用に読み易くしてある。

また上質紙は印刷用紙の中で最も汎用性に富む品種でもある。生産及び販売量において、印刷用紙の主流は上質紙から塗工紙に移っているが、少なくともその汎用性及び書籍分野における地位に関しては、上質紙の強みは今後とも変わらないであろう。