書籍用紙のポイント・くわえ尻カール

●書籍用紙のポイント

書籍はチラシやポスター等と違い相当長時間にわたってじっと見るものであるから、目が疲れてはならない。ところが、白いということは光の反射が大変多いということ。例えば上質紙の白色度は80%が普通であるが、これは45度の入射光のうち、その80%が45度の角度で反射するということであるので、このような高い白色度では目に入る光も多く、従って目が疲れやすいことになる。書籍用紙は淡色に着色したものが多く、その分だけ光の反射は少なく目におだやかである。
書籍用紙を選ぶ第一のポイントは、その紙の色が出版される書籍の内容のムードにどうマッチするかということであり、その肌合い、すなわち平滑性と合わせてよく検討すべきである。

●くわえ尻カール

くわえ尻カールは、オフセット印刷機の胴の出口で、インキによって紙が引張られることにより起こります。紙にはある程度の弾性があるので、インキのタツクによって多少引張られても後でもとに戻ります。
しかし、この引っ張りが強すぎると、紙の内部組織にもとに戻らない変形が生じます。
くわえ尻カールもその一つです。この形は図に示したようなもので他のタイプのカールと違います。このカールは紙の欠陥というよりも印刷条件に問題があるもので、インキのタツクが高い、くわえ尻近くにべタ部がある、湿し水が多いなどの時に生じやすく、紙としては薄物あるいは縦目の紙に起こりやすいようです。