切手のはなし

切手というのは元来は手形や商品切手の意味もありますが、ふつう郵便切手を思いうかべます。

世界最初の郵便切手は、1840年にイギリスで発行された1ペニー切手だそうで、ビクトリア女王の横顔が描かれ、黒色なのでブラックペニーと呼ばれました。

日本では、ブラックペニーが発行されてから31年後の明治4年に近代郵便制度が始まり、その年に郵便切手が発行され、48文、100文、200文、500文の4種類で、竜の模様が描かれていたため「竜切手」と呼ばれました。

よく切手は「小さな芸術品」とか「国の名刺」あるいは「紙の宝石」などといわれるように、非常に小さな面積の中に、そのお国柄にふさわしく、しかも芸術性豊かな品格の高い美麗な印刷が施される必要があり、印刷にもいろいろな種類があります。

以前は凸版・平版・凹版を3版式といったものですが、現在は孔版を加えて4版式といいます。切手の印刷にはどの方式も使いますが、だいたい、低・中額用には凸版・平版・グラビアが、高額切手には凹版・多色グラビアが、記念切手には多色グラビアやこれと凹版とのコンビネーションなどが用いられます。

切手は、郵便物に貼るために裏に糊が塗られ、手で1枚1枚切り離すために目打がなされています。この目打ちは、十字の交点で好転で完全に一致しなければいけなくて、切手を製造する側の人は大変神経を使って作っているわけです。印刷技術のほかにこのような品質管理面でも、日本の切手は世界のトップクスにあるといわれています。