新聞用紙

我が国で一番多く量産されている紙は新聞用紙で、年間約250万トン作られている。読まれているうちは新聞、読まれたあとは新聞紙、つまり古紙となる。

つい先ごろまでは、新聞紙は重宝な存在であって、すぐ捨てることはなかった。床やタンスの敷紙に使い、畳や衣類の防湿、防虫に商店では包み紙になり、いろいろ利用されてきたが、最近は読み捨てられている。

古新聞の回収は紙資源の少ない日本では特に必要なことであり、その回収率は世界でも高水準にあることは大変よるこばしい。外国からも原木やチップを買うよりも、古紙を買うほうが割安であるので、アメリカなどから年間約13万トン輸入している。

新聞用紙は従来は、砕木パルプを主原料とし、それに約2割の化学パルプやセミケミカルパルブを混合したものが用いられていたが、現在では、紙の混入比が年々増して来ている。

その理由は、最近脱インク処理が完全に行なえるようになったため、大量に使用され、現在20~30パーセントも古紙が混入され、今後も増す傾向にある。再生古紙を混抄する事により、紙は不透明度を増し、印刷の裏映りを防ぐ効果がある。そのためか以前よりも薄くする事が出来、それだけ軽くなり、印刷作業や運搬などにも好影響を与えている。新聞用紙の価値は、利用され方は変っても不動である。