中性紙

図書館等で蔵書がボロボロになってしまうということから、各製紙会社は紙の劣化が遅く、保存性の高い中性紙を開発してきました。

酸性抄きの紙には、抄造過程でインキのにじみを抑えるサイズ剤を繊維に定着するために、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)が使用されています。その硫酸バンドが、時間の経過で紙の繊維を加水分解するので、徐々に劣化が進む原因になっていました。

それに対し中性抄きの紙は、定着のために中性サイズ剤を使用します。これは原料として加えられる炭酸カルシウムとともに空気中の亜硫酸ガスなどの酸性物を中和する働きがあります。そのため中性紙は酸性紙に比べて紙の劣化が遅く、保存性が高い特質を持っていますので、後世に永く保存される書籍には適しています。

また、現在のPPC用紙(コピー用紙)はそのほとんどが中性紙となっています。