人類は、古代から情報を記録して後世に残そうとする欲望が大きく、石を並べたり、碑を建てたりして記念の塔などを建造した。人知が進むにつれ、より多くの情報を残せるようにと、石塊に比べて薄い石板や粘土板をつくり、これに象形文字を刻んだりするようになった。紀元前3700年ごろ、エジプトではナイル川の河岸に生えるパピルス(カヤツリグサに似た植物。三角形で草丈1.5~2メートルに達する)を用いた新しい情報の記録と伝達の媒体が発明された。パピルスの茎を収穫し、縦に裂いて得た薄片を縦横に並べて水を加え、打ちたたいて密着させる。これを乾燥させると、強度の高い紙のようなものとなり、いまなお保存されているものもある。パピルスは、英語のペーパーをはじめとするヨーロッパ各国の「紙」の語源といわれている。