蔡倫の紙、やはり最古

紙は火薬、磁石とともに中国の偉大な発明の一つとして知られていますが、中国の後漢時代、宮中の用度係として仕えていた「蔡倫」により発明されました。しかし近年中国において、 西暦105年に発明する200年以上も前の「はきょう紙」だとの説が有力になり、日本でも一部百科事典でも紹介されていましたが、30年間にわたる研究、論争の結果、中国軽工業省製紙研究所が「繊維であり紙ではない」との鑑定結果を出し言論争に決着をつけました。

蔡倫の発明した紙は、樹皮、麻、ボロ布等を石うすでくだいて作られたもので、問題のはきょう紙はボロ布が主体であったことから決果が出たと思われます。

今から1800年以上も前に発明された紙は今でも、その基本製法は変っておりません。また日本へは西暦610年に中国からその技法が紹介され、今日の和紙へと発展したと思われます。

蔡倫は、宮中の用度係をしていましたが、仕事の性格上、毎日行われているいろいろな行事を忘れずメモをしておく必要があり、考え抜いたあげく出来上ったもので、「必要は発明の母」と言われるゆえんとなったのは当然かも知れません。