紙のカールについて

カール、波打ち、タイトエッジはいわゆる紙ぐせと呼ばれているもので、本来使用前も使用後も平らでなければならないものが、いろいろな原因のために使用前すでに変形していたり、または使用後に変形を生じて、印刷など加工作業の順調な進行を妨げたり、仕上がり商品の価値を下げたりするものです。

カールは紙の端がカールしているもので、これには白紙カール・くわえ尻カール・印刷後カールの三つの種類があります。

 

白紙カール

使用前にすでに発生しているカールで、この原因としては、抄造後、巻取りのままで長く保管しておいた紙によく生じます。また表裏の伸縮の差の大きい場合、あるいは片面コート紙に出ます。

くわえ尻カール

このカールは、オフセット印刷機の出口でインキによって紙が引っ張られることにより起こります。紙にはある程度の弾力性があるので、インキのタックによって多少引っ張られても後でもとに戻ります。しかしこの引っ張りが強すぎると、紙の内部組織にもとに戻らない変形が生じます。くわえ尻カールもその一つです。図に示したようなもので、他のタイプのカールとは違います。

このカールは紙の欠陥というよりも印刷条件に問題があるもので、インキのタックが高いくわえ尻近くにベタ部がある、湿し水が多いなどの時に生じやすく、紙としては薄物あるいは縦目の紙に起こりやすいようです。