紙のルーツは非木材

世界最古の書写材料として知られる『パピルス』は、古代エジプトでナイル河畔に自生する多年草・パピルスの茎を薄く裂き、一定の長さに揃えたものを並べ、その上から同様のものを直角におき乾燥させたシート状のものであった。紙の出現は古代中国で、樹皮・麻繊維・ボロきれ、魚網などを用いて紙造りをしていたと伝えられている。日本へは飛鳥時代に朝鮮から製紙法が伝わった。江戸時代には手漉き和紙が盛んに作られるようになった。強じんさと優美さの点で優れた手漉き和紙が日本の紙文化を作り上げたといえる。

また、西へはシルクロードを通ってヨーロッパに12世紀ごろ伝わり、14世紀にはヨーロッパ各地で紙の生産が行われるようになったが、その後活版印刷術の発明や産業革命などにより、紙需要が急増して原料に不足をきたすようになった。そこで木材をパルプ化する製法が発明されて、パルプ製紙技術の発展となったのである。