紙のQ&A

大分類 小分類 質問内容
大きさ   紙の大きさについて教えてください⇒豆辞典1981.11
    4/6判とはなんですか? ⇒豆辞典1998.8
    A4とかB4とかは、どうやって決められているのですか? ⇒豆辞典1983.9
    タブロイド判の大きさは? ⇒A1
    美濃判の大きさは? ⇒A2
    レターサイズとは? ⇒A3
    リーガルサイズとは? ⇒A4
    外国にはどんな大きさの紙があるのですか? ⇒A5
厚さ   厚さの表現が55kgなどとなっていますがどういう表し方ですか? ⇒A6
    米坪とは⇒豆辞典1982.3
    A4の55KGと注文したのにどうしてA4の35KGの品物が納品されるのですか? ⇒A7
  紙の目とは何ですか⇒>豆辞典1981.8/豆辞典1988.11/豆辞典1998.10
    紙の目の見分け方を教えてください⇒A8
製造   紙の製造方法を知りたい⇒日本製紙・紙の豆知識・チップ君の工場見学
    模様や色はどうやってつける⇒A9
    すかしの入れ方は⇒A10
原料   紙は木から作られるそうですがもう少し詳しく教えてください⇒日本製紙・紙の豆知識・チップ君の工場見学
品種 洋紙 ラシャ紙とはどんな紙? ⇒A11
    紙の分類でA1,A2,A3とは何のこと? ⇒豆辞典1993.7
    模造紙とはどんな紙? ⇒>豆辞典1981.11
    コートとアートはどう違う? ⇒>豆辞典1981.9
    ダルとはなんのこと? ⇒>豆辞典1998.7
    ノーカーボン紙はどうして発色するのですか? ⇒豆辞典1982.5>(一部訂正★赤発色は発売中止)
    ボンド紙とは⇒>A12
  板紙 板紙とは? ⇒豆辞典1984.5
  和紙 和紙と洋紙はどう違う? ⇒> A23
  再生紙 再生紙の銘柄にはどのようなものがある? ⇒シオザワ/グリーン購入ネットワーク
  非木材紙 非木材紙とはどんな紙ですか⇒>A13
  加工紙 タック紙とはなんですか⇒>豆辞典1985.4
  中性紙 中性紙とは⇒豆辞典1983.8豆辞典1994.12豆辞典1998.8
  家庭紙  
  工業用紙  
  その他 紙の種類にはどのようなものがありますか⇒>A14
品質   紙の裏表の見分け方を教えてください⇒豆辞典1982.2
    白色度とは何ですか⇒豆辞典1997.10
特性   水に溶ける紙と溶けない紙の違いは⇒>A15
銘柄   紙の種類はどのぐらいある⇒>A16
メーカー   紙のメーカーは何社ぐらいある⇒>日本製紙連合会
価格   薄物格差、厚物格差とは? ⇒>A17
断裁   小数とは⇒>A18
用途   コピー機にはどのくらいの厚さまでとおるの? ⇒>A19
製品    
トラブル   紙にシワがよる⇒A20
    紙が丸まる⇒A21
    紙がくっつく⇒>A22
歴史   紙はいつ頃どこでできたのですか? ⇒豆辞典1982.6
その他   紙のリンク集は⇒>立川紙業HPリンク集
    紙に関する統計資料⇒>グラフで見る紙の統計データ
    紙に関する様々なことを出向いて調べられるところ⇒紙の博物館

 

番号 お答
A1 スタンダード判あるいはブランケット判とよばれる普通サイズの新聞約半分の大きさで、おおよそ273mm×406mm。
A2 281×402mmが標準ですが、板目表紙などは、メーカーによりサイズにばらつきがあるようです。273×394mm、270×390mm、282×403mmなどの商品があります。
A3 欧米のインチ基準サイズのひとつで、8.5×11インチ(約216×280mm)。
A4 欧米のインチ基準サイズのひとつで、8.5×14インチ(約216×356mm)。
A5 各国やメーカーにより大きさは様々です。いくつか例をあげると、アメリカ potlatch社 25×38インチ(635×965mm)、20×26インチ(508×660mm)など。インドネシア 790×1090mm、650×1000mmなど。台湾 788×1091mm、635×889mm、622×876mm、559×864mm、889×1194mmなどがあります。
海外の製紙会社(日本製紙連合会・王子製紙・日本製紙(紙の豆知識)などにリンク先あり)
A6 紙の厚さは、一般的には「連量」という所定寸法の紙1000枚当りの重量(kg)であらわします。通常55kgといわれるのは、4/6判(788×1091mm)という寸法の紙1000枚の重さです。だいたいPPC用紙程度の厚さになります。寸法が同じであれば重量の重い紙の方が厚くなります。
A7 紙の厚さの表示方法はいくつかありますが、B4やA4などのカット判の厚さ表示は、その大きさの紙を切るのに使用する全紙の連量(1000枚の重量)を使用することがあります。B列寸法(B4やB5など)は4/6判(788×1091mm)の、またA列寸法(A3やA4など)はA判(625×880mm)の連量を使用します。4/6判の55kgの紙はA判では35kgになるので、B4やB5は55kg、A3やA4は35kgという表示になります。
A8 片面を水で濡らす、破く(裂く)、折り曲げる、などの方法があります。
紙はパルプ繊維が流れ目と平行に並んで出来ています。片面を水で濡らすと、この濡らした側の繊維と繊維の間に水が入り込み紙が伸び、丸まり始めます。紙の長辺がRになればよこ目、短辺がRになればたて目です。ただし、両面を濡らすと両面とも伸びるため丸まらず、わかりにくくなります。
紙は目と平行に破け(裂け)やすい性質があります。短冊状に破く(裂く)と、たて目の紙は長辺と平行に、よこ目の紙は短辺と平行に破け(裂け)やすく、薄い紙ほどその傾向は顕著です。ティッシュペーパーやトイレットペーパーで試してみるとよくわかります。
折り曲げる場合には、目と折り目を平行にすると折りやすくなる性質があります。これと逆に折ると、より抵抗がかかるのがわかります。
5cm×10cmの紙をふたつに折る場合、たて目の紙は2.5cm×10cmに、よこ目の紙は5cm×5cmに折りやすくなります。
A9 色は、それぞれの色の染料を、紙の原料のパルプや薬品に混ぜて着色する方法や、顔料・着色剤を原紙の表面に塗る方法が一般的です。模様は抄紙機の工程の中で模様の型のついたロールやフェルト、ワイヤーでつける方法が一般的です。
A10 紙を抄く際にすかしの柄に合わせ紙の厚さに微妙な厚薄をつけると、すかしになります。洋紙の場合はワイヤーとよばれる網に、和紙の場合には漉き簀に型を施します。
A11 厚手のラフ肌の紙で、ラシャ(紡毛の厚手の毛織物)に似ていることからそうよばれています。銘柄には、ニューカラー、NTラシャ、Mケントラシャなどがあります。
A12 本来は証券用紙の意味で、各種証券類や公債・法律文書のような強度と耐久性が求められる紙のことを指しましたが、現在ではレターヘッドを印刷する便箋や書簡用紙を指す事が多いようです。紙の名前やメーカー名のすかしが入ったものが多くつくられています。
A13 針葉樹や広葉樹などの木材パルプ以外の草本植物などを原料にしたパルプから作られた紙のことをいいます。非木材パルプの原料には、ケナフ(アオイ科の1年植物)、バガス(さとうきびの絞り粕)、竹、コットンなどがあります。
A14 用途や特徴などを元に「品種分類」がつくられています。大きく分けると、印刷情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙、板紙などがあります。
A15 紙が水に溶けるといっても、パルプの繊維自体が水に溶けるわけではありません。からみ合っているパルプ繊維の間に水が入ると繊維と繊維が離れてしまうため、水に弱いというだけです。もっとも普通の紙には、サイズ剤や湿潤強度付与剤などの薬品が使われているので、瞬時にパルプ繊維がばらばらになるということはありません。紙の中にはトイレットペーパーのように水に濡らすとパルプ繊維がばらばらになりやすいものや、耐水紙と呼ばれるある程度の耐水性を備えたものもありますが、その差はこの薬品にあるのです。ただし、実際に水に溶ける「水溶紙」という紙も開発されています。これは、パルプ繊維そのものを完全に水に溶けるように化学変化させたものです。
A16 紙の種類(銘柄)の数は、正確なところはわかりません。一般的なものだけあげても3000種類とも5000種類ともいわれます。次々と新製品が生まれ、また消えるものもあります。特注品や名前を変えて販売されるもの、流通の途中で加工されるものもあります。また、それぞれの銘柄に厚さや大きさ、色や柄・模様や機能の違いもあります。
A17 上質紙やコート紙には、薄物格差という特別な価格差があります。これは生産効率によるもので、抄紙機の抄造スピードは分速1000m以上にもなりますが、薄物は生産効率が悪いため、その分価格に格差がつけられています。
厚物格差は、逆に厚物は抄紙機のスピードが上がらず、生産効率が悪いことからつけられている価格差です。格差表はこちら。
A18 断裁後の仕上がり枚数のことです。1000枚の全紙を8切に切ると、小数は8000枚になります。
A19 官製はがき程度までがおすすめできますが、手差しコピーの機能を使えば、もう少し厚い紙でもコピーは可能です。詳しくはコピー機の取扱説明書をごらんください。
A20 紙が湿気を帯びていることが第一に考えられます。湿度の高い日や時期に発生することが多く、加温や乾いた空気を当てて湿気を取り除くことが必要です。開封後の紙は必要枚数を抜いたら、使用後はしっかりと封をすることをお勧めします。
A21 紙が丸まることを「カール」といいます。印刷前の白紙カールと、印刷に伴うカールがありますが、ここでは印刷前の白紙カールについてご説明します。この白紙カールは「巻ぐせカール」ともいわれ、湿気あるいは水分の影響で発生します。片面塗工の紙は表裏で性質が異なるため、表裏の水分に対する伸縮度も異なるのでカールがおきやすくなります。また、長時間保管した巻取り紙を平版に断裁する際にも、条件によりカールが起きることがあります。枚数が少なければ、カールと逆方向に折り目がつかない程度に折り曲げるか、加湿することで解決できる場合があります。
A22 紙が静電気を帯びているものと思われます。湿度の低い冬場などによくおきる現象で、包装を開けた状態で周囲の湿度を少し上げ、放置しておくと改善されます。他にも除電方法があれば、試してみてください。
A23 日本古来の手法で作られた紙を、舶来の手法による「洋紙」の反対語として「和紙」と呼ぶのが一般的です。こうぞ、がんぴ、みつまたなどが主原料ですが、木材パルプや古紙も使われます。製法は手漉きが主ですが、機械ずきのものもあります。原料は軽度の叩解をするだけのものが多いため、繊維長が長く強靭・カサ高などが特長として挙げられます。